
王朝時代に築かれた数々の歴史的建造物(世界遺産)
13代にわたって続いた歴代皇帝ですが、今は7人の皇帝の帝陵が残っています。中でも世界遺産に指定されており、歴史好きな旅行者に人気の帝陵や廟をご紹介します。
カイディン帝廟
カイディン帝廟は、12代目皇帝のカイディン帝の帝陵(お墓)です。
1916年から1925年まで皇帝の座に就き、1920年からカイディン帝の死後6年後の1931年まで、12年の歳月をかけて建立されました。
カイディン帝は、新しい派手なもの好きで金遣いが荒く、自分の墓地を建設する為に国民の税金を30%増加、12年かけて造られたことから建築費用も嵩み、当時のベトナム人には人気がなかったと言われています。
当時、フランス植民地時代であったことからフランスの建築様式も取り入れ、他の帝廟とは違う独特の雰囲気になっています。
人気の無かった皇帝と言われていますが、帝廟の中で一番長い時間とお金をかけて造られただけに、細部までこだわった大理石の部屋の天井やガラスが埋め込まれた美しい彫刻が並び、歴史や彫刻好きには見応えある帝廟ですよ。
トゥドゥック帝廟
グエン朝で最も在位が長かった4代目皇帝のトゥドゥック帝の帝陵です。1847年から1883年の36年間皇帝の座に就き、1867年に3年かけてこの帝廟が完成しました。
生前は、トゥドゥック帝の別荘としても使われ、475ha(4,750,000㎡)ある広大な敷地に、水面に蓮が浮かぶ大きな池や堀、釣殿、廟、墓碑などがあります。
1883年にフエ条約により、フランスの保護国として植民地時代になりましたが、トゥドゥック帝は文化的にまだフランスの影響を受けておらず、東洋の建築様式で帝廟が作られています。
トゥドゥック帝廟は、全ての廟に「謙遜」を意味する「謙」の言葉が使われており、トゥドゥック帝が常に謙虚な気持ちの持ち主でありたいという想いが込められています。
阮朝王宮
阮朝(グエン朝)の王宮で1803年に建設が開始されました。
「フエ」と言えば「阮朝王宮」と象徴できる程の観光名所で、世界遺産に登録されているフエの歴史的建造物の中でも一番人気のスポットです。
フエの真ん中を流れるフォン川のほとりの旧市街に位置し、高さ5mの頑丈な城壁で囲まれた600m四方の王宮内には30以上の宮殿が並んでいたと言われています。更に城壁の周りには10kmの外掘りが掘られています。
しかし、フエはベトナム戦争の激戦区であった為、多くの建物が大破されてしまっています。ほとんどが跡地となりますが、「王宮門」「太和殿(だいわでん)」「顕臨閣(けいりんかく)」「世祖廟(せそびょう)」「閲是堂(えつぜどう)」など、残っている建物を見学することができます。
フエで最も古いティエンムー寺
フエで最も古く美しいお寺と言われているのがティエンムー寺。阮朝(グエン朝)が始まる前のチャンパ王国時代の1601年に建てられたお寺です。高さ21m、幸福と天の恵みを意味する八角形7層の福縁塔です。
ちなみに1601年は、江戸幕府がホイアンと正式に交易を拡大させた年です。ホイアンに日本人街も出来た頃の時代です。
ティエンムーの伝説
ある日老婆が「まもなくここに支配者が現れ、ここに大きな塔を建てるだろう」と告げて去り、実は老婆は人間の姿をした天女だったと言われています。
その為、「天女の寺=ティエンムー寺」と呼ばれるようになりました。天女の予言通り、この地に「グエン・ホアン」という王がこの地を偶然にも訪れ寺を建てました。
現地ツアーで周るコース
現地ツアーも上記で紹介した観光名所を周ります。
日系のJTB「ダナン発世界遺産フエ1日観光ツアー」では、「カイディン帝廟」→「トゥドゥック帝廟」→「昼食」→「阮朝王宮」→「ティエンムー寺」というコースです。
現地ツアーを利用せず、自由に自分達で周ることも出来ますが、歴史の基礎知識を事前に学習しないとあまり楽しめません。
また、上記でご紹介した世界遺産の観光名所は、一つ一つの箇所が広大な敷地で歴史の説明を記した案内板もない為、ガイド付きのツアーで観光すると時間の効率も良いのでお勧めですよ。

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